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超電脳(す~ぱ~こんぴゅ~た~)

こんにちは。計算ができないことで有名なおぐりんです。
最近やらかした大きな計算ミスは 2×3 = 5です。

世の中には高精度で計算してくれる上に超高速な奴がいます。
コンピューターです!
コンピューターの中でも場所もリソースも電気代もむちゃくちゃ費やしているスーパーコンピューターはピカイチの計算能力を持っています。

 

今回はスーパーコンピューターについてお話していきたいと思います。
というのも、以下の様なめでたいニュースが飛び込んできたからです。

www.titech.ac.jp

 

2011年に世界1位のスーパーコンピューターになった京コンピューター

すぐにアメリカや中国に追い抜かされて、蓮舫Rに2位じゃだめなんですか、と言われたあの京コンピューター。

それがついに再び世界一の座に上り詰めたという記事です。あっぱれめでたい。パトリオット大爆発。

 

とはいえ、皆さんが普通に生きているうちにスーパーコンピューターを直接触る、なんてことはないでしょう。でも間接的に利用することは可能です。スーパーコンピューターの恩恵を受けている身近なサービスを紹介しましょう。

 

ないんたん天気予報@東京

ないんたんの予報の読み方 -いもぶろぐ

 

なんといっても外せない使用例は天気予報です!上で挙げた天気予報のサイトは、NECのスーパーコンピューターSX9(通称:ないんたん)を使っています。SX9はNECのSXシリーズの第9作です。このプログラムの中で過去の気象データを学習して、現在のアメダスの情報から数時間後までの降水量を極めて正確に予想するものです。

※残念ながら利用していた気象データサービスが終了しために、上記サイトもサービスが終了しそうなようです。ないんたんの天気予報実験停止のお知らせ - いもす研 (imos laboratory)

 

ちなみに気象庁が発表している天気予報もスーパーコンピューターを使っているみたいです。

気象庁気象研究所|スーパーコンピュータシステム

 

 

③自動車の物理シミュレーション

www.youtube.com

自動車を走行した時の空気の流れのシミュレーション、つまり流体シミュレーションです。自動車にかぎらず、飛行機のシミュレーションなどにも使われることがあります。皆さんがいつも乗っている車、電車、飛行機のフォルムも実はスーパーコンピューターによるシミュレーションの末にデザインされてるのです。

 

 

続いてはこちら

www.fujifilm.co.jp

要するに化学反応の分子レベルのシミュレーションですね。分子レベルとなると、ちょっとした反応でも莫大な個数の分子の動きが発生しますから、普通のコンピューターでは計算スペースが足りません。これも、スーパーコンピューターならではの仕事と言えます。

 

 

 

さて、ここまで3つの使用例を挙げました。これらには大きな共通点があります。全部シュミr・・シミュレーションであるということです。

スーパーコンピューターというのはつまるところ、記憶領域がむちゃくちゃ大きく、計算が早く出来る、というだけで、それ以外はただのコンピューターです。では普通のコンピューター程度の記憶領域では処理できないことは何なのか?その身近な例がシュミレーションなのです。

実はNECのSXシリーズの第五作SX-5は地球シミュレータという名前でかつて世界一のスーパーコンピューターとして名を馳せていました。シミュレーションはスーパーコンピューターの十八番なのです。

 

以下の動画で詳しいことが話されています。

 


パソコンで出来ること,スパコンでなければ出来ないこと(2012年10月6日)

 

 

スーパーコンピューターの特徴を一言で表すならば、数の暴力です。それを支えるのはGPUです。GPU(Graphics Processing Unit)は名前のとおり、画像を画面に表示する際の処理を請け負ってくれる脳みそです。画像処理というのは、何万もある小さな画素に表示するものを一瞬で処理するために、簡単な仕事を同時進行で大量並列処理することに長けています。これが、一つ一つの分子の動きを処理するシミュレーションなどと相性が良いことに注目され始めました。そうしてGPUはやがてGPGPU(Generalr Purpose GPU)として画像処理だけでなく、普通の用途(General Purpose)でも使われるようになっていきました。スーパーコンピューターの進歩の裏側ではGPUが縁の下の力持ちとして進歩してきたのです。

 

【イベントレポート】スーパーコンピュータの性能向上を支えるGPUの進化 ~GTC Japan 2015レポート - PC Watch

 

 

さて、いままで京がらみの話をしてきましたが、ここからは京を追い抜いた中国のスーパーコンピューター天河(てんが)シリーズについてお話しましょう。

 

天河一号 - Wikipedia

天河二号 - Wikipedia

 

天河(てんが)シリーズは京同様、中国が国家予算をかけて開発していたスーパーコンピューターです。USAに本部を持つ国際的電子情報学会IEEEは天河を中国の軍拡競争の象徴だとコメントしています。

天河シリーズはスーパーコンピューターのランク付けプロジェクトTOP500で3年連続首位を保持してきました。TOP500ではLINPACKという名前の性能テストでスーパーコンピューターをランク付けしていますが、これらは率直な数の暴力の強さを測る面が強いテストですので、他の応用に関する強さ、つまり汎用性が高いかどうかとは強く直結しないテストになっています。

Home | TOP500 Supercomputer Sites

↑TOP500の公式サイト

 

天河シリーズが首位を独占している間も、汎用性の無いことについて国内外から問題視する声が多く飛んでいました。なにより、電気代がバカ高かったらしく、国内から宝の持ち腐れだと言われていました。十分強い計算力を持つスーパーコンピューターを保持しているのに、それを十分活かしたソフトウェアを持っていなかったのです。

news.searchina.net

 

さて、先ほどのTOP500のサイトを見た方はわかると思いますが、現在のTOP500首位は中国産の別のスーパーコンピューター神威太湖之光です。こいつはCPUメインで動くすごいやつです!

gigazine.net

こいつは天河(てんが)シリーズより汎用性が低いと言われています。というのも、計算スピードは早いものの、記憶領域へのアクセスがおそい、つまりメモリアクセスが遅いのです。あかんやん。がんばれ中国。

 

TOP500の一位は中国ですが、冒頭で紹介したとおりGraph500では日本の京が一位です。

Brief Introduction | Graph 500

↑Graph500の公式サイト

Graph500は大規模データ処理の力でスーパーコンピューターをランク付けするプロジェクトです。ビッグデータ処理が最近の流行りですから、その流れもありGraph500は注目されている評価プロジェクトです。それで一位になるってのはすごいですね!

 

ちなみに東京大学では情報基盤センターが金に物を言わせて、一部の学科の人がスーパーコンピューターの計算資源を利用できるようになっています。進学選択で悩んでるあなたは、もし興味があったらそういう学科に進んでみてはいかが?

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